「学び合い、学び続ける明日の市民の育成」
学び合う力は、教育に自立と協同の文化を育む
教育は子ども達の人格の完成をめざし、自立し協同できる個を育てることを目的としている。それは、自己を磨き、互いを認め、支え合い、共に生きようとするなかで高まり、生命や人権を尊重し、互いを深く思いやり心豊かに生きることで一層豊かに実現されていく。
学校園における教育の基本的役割は、子どもたちが将来において豊かなよりよい生活を営むべく、子どもの発達段階に応じて、知・徳・体の調和のとれた教育を行うとともに、生涯を通して学び、成長し続けるための基盤を培うことである。
「大東市教育ビジョン」では、学校園の教育を進めるにあたって3つの視点を示している。(1)信頼関係を重視する(教師と子どもの信頼関係、子どもと子どもの信頼関係を育むことをあらゆる教育活動の基礎とする)(2)一貫性を重視する(学習指導と生活・生徒指導、幼・小・中を一貫して、子どもに自立と協同する力を育む)(3)統合性を重視する(豊かな心・確かな学力・健やかな体を「生きる力」として包括的に教育を進める)である。
これまで、この視点に基づき、ビジョン1「社会力を高めます」では、互いの違いを認め協同する人権教育・特別支援教育等の充実を図ってきた。ビジョン2「人間力を高めます」では、「自ら学び、学び合う」子どもを育む授業改善をはじめ、小中連携教育、大東・まなび舎等を全市挙げての取組みとしてきた。ビジョン3「支援力を高めます」では、学校・家庭・地域が協同して子どもの多面的な学びを促す教育環境づくりに努めてきた。
これらの成果のもと、「大東市教育ビジョン」3年目を迎える本年、引き続き「学力向上」や「授業規律の徹底」「基本的生活習慣の確立」「いじめ」「不登校」などの教育課題に取組み、一層成果を上げていくことが必要である。「大東のめざす子ども像」の実現に向け、各学校園は教育委員会と緊密に連携をとり、目標達成のための確かな取組みを実行していきたい。
何よりも、各学校園が具体的な目標をもち、その実現のため校園長のもと教職員が一丸となって教育に取組んでいくことが重要である。変化の大きい時代に、前年通りの取組みで済ませていれば教育は後退する。校園長がリーダーシップを発揮し、改革のための知恵を出し合い、本気になって児童・生徒・保護者・地域から信頼される魅力ある学校園づくりに努める。
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大東のめざす子ども像
1.「豊かな心」「確かな学力」と「健やかな体」を 身につけた子ども
2.「自ら学ぶ力」と「学び合う力」をつけた子ども
3.自分や友達、家族を大切にし、地域を支える 子ども
4.生涯にわたって、自ら学び続けようとする子ども
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「教育は人なり」といわれる。子どもの教育に直接携わる教職員は教育公務員としてその責務を自覚し、市民の信頼に応えられるよう、幼児・児童・生徒に敬愛される豊かな人間性を培うとともに、日々の研究と修養に努め、自らの資質の向上を図り指導力を高めることが重要である。
【 学校園に対する重点指示事項 】
(1) 校長がリーダーシップを発揮し、学力向上、生徒指導、地域連携や情報公開、情報管理、危機管理等の様々な課題に対応できるよう担当者を校務分掌に位置付けるなど、校長のマネジメントによる組織的な学校運営を進め、諸課題の解決と開かれた学校づくりに努めること。
(2) 豊かな人間性と高い専門性をもつ自ら学び合う教員をめざし、同僚性を高め教育者としての資質・能力の向上(使命感や愛情、専門的知識、広く豊かな教養、柔軟な問題解決力、コミュニケーション力等)に努めること。
(3) 体罰、飲酒運転、個人情報紛失等の不祥事未然予防に努めること。「不祥事予防にむけて(改訂版)」や「体罰防止マニュアル」等を活用した研修はもとより、マスコミ報道された事案の紹介や「大阪府教育委員会懲戒処分指針」の周知を行い、日常的な注意喚起に努め、自分・自校には生起しないという楽観論に陥らないこと。特に、体罰については、児童生徒の人権を著しく侵害するばかりでなく、学校や教員に対する信頼を大きく損なうものであり、絶対に許されないことを教職員に周知徹底するとともに、生徒指導の工夫や体罰に至らない指導のあり方を常に心がけるよう教職員の意識化を図ること。
(4) 教職員間及び児童・生徒に対するセクシュアル・ハラスメントは、重大な人権侵害であるとの認識のもと、未然防止のための学校体制を確立すること。市教委及び府教委からの指導内容や通知内容は必ず全教職員に伝達するとともに研修を実施すること。また、学校・市教委・府教委の相談窓口の周知を行うこと。万一、生起した場合は、被害者救済の観点を明確にしつつ、市教委のガイドラインに従い速やかな対応を行うこと。
(5) 「教職員の評価・育成システム」の実効性を高めるため、日頃より教職員とのコミュニケーションに努めながら、全教員の授業観察や職務遂行状況の把握を的確に行うこと。評価基準の適用にあたっては適正を期し、制度の変更点や結果の開示・説明を充分に行うこと。また、育成の観点から次年度に向けた動機付けを行い、教職員の意欲・資質能力の向上と学校の活性化を図ること。
(6) 教職経験層の二極化傾向のなか、経験豊かな教員の支援のもと、校務の要に若手教員や女性教員を積極的に登用し、計画的な人材育成を図ること。また、人材の育成が研修実施の視点だけにならず、日常的なOJTにより具体的・実際的な指導助言が行われるよう教職員組織を構築すること。そのためにも、首席・指導教諭等、学校運営の軸となるミドルリーダーの育成に努めること。
(7) 多くの教職員が退職・採用される状況を踏まえ、各学校における初任者研修を校内研修に明確に位置づけ、全教職員が協働体制をとり初任者育成に関わること。また、教職経験年数の少ない教員に対しても組織的・継続的な研修と支援を継続して行い、指導力の向上に努めること。
(8) 教職員の服務規律の確保については平素より指導を徹底し、教職員の勤務時間の管理や勤務場所を離れて行う研修等については適切な運用が行われるよう指導すること。併せて、労働安全衛生の観点からも勤務時間の把握に努め、教職員の健康保持に留意すること。
すべての子どもたちが安心して学習できる学校環境づくりを進める上で、いじめ、長欠・不登校、暴力行為等は、未然防止及び早期発見・早期対応の観点で解決すべき重要な課題である。これらの解決のためには、学校園において教育活動全般を通じて、生命の尊さに気づかせ、お互いを大切にすることのできる感覚や態度・行動力を育てるとともに、倫理観や規範意識・ルールを確実に身に付けさせるなど、豊かな人間性を育む教育をより一層効果的に推進していくことが重要である。
【 重点指示事項 】
(1) 児童・生徒の豊かな人間性を育むため、「道徳の時間」を要とし、各教科、領域等との関連を図りながら、計画的、発展的に道徳教育の実施・充実を図ること。校長の方針のもと、道徳教育推進教師を中心に全教職員による共通理解のもとに道徳教育の全体計画及び「道徳の時間」の年間指導計画を作成し、学校が一体となって道徳教育の推進に努めること。
(2) 人権教育の推進に当たっては、人権教育担当者を置くことはもとより、同和問題、男女平等、障害者、在日外国人等の様々な人権問題の解決に向け、課題別担当者の明確化を図り、校長を中心とする校内推進体制を確立し、人権尊重の教育の推進に努めること。あわせて、特に教職経験年数の少ない教職員に人権教育の取組みや成果を継承できるよう努めること。
(3) 長欠・不登校児童生徒数の減少に向けた具体的な目標を設定し、学校体制として確実な取組みに努めること。未然防止の観点から、学校サポーター、スクールカウンセラーを積極的に活用し、小・中の円滑な接続のための連携した取組みの継続及び早期対応の支援体制を充実させること。
(4) いじめ問題については、児童生徒が自ら尊い命を断つ可能性もあるなど、重大な人権侵害事象であり、「いじめはどの学校でも、どの子どもにも起こり得る」ものであることを十分認識すること。また市が実施するアンケート調査の結果を有効活用するとともに、各校においても学校独自の調査を適宜実施し、「いじめは絶対に許されない」との強い姿勢を明確にし、未然防止と早期発見・解決に努めること。
(5) 平素より児童・生徒自身が課題解決と人間関係をつくっていく力の育成を図り、プロジェクト・アドベンチャー、エンパワメント研修等を積極的に活用するとともに、教職員と児童・生徒との信頼関係の構築に努めること。
(6) 学校における生徒指導上の諸問題については、積極的に保護者や地域に発信し、連携を一層深め、未然防止と早期発見・解決に努めること。また生活指導・生徒指導担当者や児童生徒支援加配教員を適正に活用し、学校組織として効果的に取組みが推進できる体制を構築すること。さらに「学級がうまく機能しない状況」については、背景や原因を分析し、教職員の指導力の向上を図るとともに、柔軟な指導体制の構築や家庭・地域社会との連携を進め、効果的な指導の工夫・改善に努めること。
(7) 児童虐待の防止に当たっては、平素からの学校園での生活観察、幼児・児童・生徒や家族へのかかわりを深め、早期発見に努めること。また虐待を発見した場合やその疑いがある場合には、学校として関係機関等に速やかに通告し、連携を取りながら対応に努めること。
(8) 子どもの安全確保をはかるため、授業中はもとより、登下校時、放課後、学校開放時等における必要な措置を講じ、学校内外における子どもの安全確保及び学校園の安全管理に努めること。
教育ビジョンのもと、「自ら学び、学び合う」力を育む授業づくり・集団づくりをさらに推進するとともに、学校が核となって、家庭・地域と力を合わせて子どもたちの学力の基盤となる生活・学習習慣や体力の向上に取組み、ともに育み合う教育環境づくりを推進することが重要である。
【重点指示事項】
(1) 全中学校区において教職員が「学び合う」授業づくりの視点を共有し、より一層の授業改善を推進すること。また、「小中連携教育推進事業」において中学校区の課題に応じた重点的な取組みを行い、9年間の子どもの育ちを見通した一貫性と系統性のある授業づくりと生徒指導のあり方を研究・実践し、学力向上に努めること。
(2) 学力や学習状況に関する調査の分析結果を活用し、児童・生徒の状況を的確に把握するとともに、学力向上のための明確な方針のもと具体的な取組みを実践すること。特に、学力の基盤となる「早寝・早起き・朝ごはん」などの生活規律の確立のため、必要な情報の提供や課題の共有を通して保護者・地域の理解と協力を得ること。また「放課後子ども教室」や「大東・まなび舎事業」を積極的に活用して自学自習力育成の場を設け、児童・生徒の学習意欲の喚起と学習習慣のさらなる定着に努めること。
(3) 少人数加配・学力向上プロジェクト支援事業による加配教員等を適切かつ効果的に活用し、学習内容の習熟度に応じた指導や、モジュール、反復学習、ペアやグループ等、様々な授業形態での学習活動を取り入れた指導方法をさらに進めること。また、児童・生徒、教職員、保護者等が参画して多様な観点から授業を検証する「授業評価」を活用し、さらなる授業改革に努めること。
(4) 特別支援教育については、保護者・関係機関・校種間の連携のもと、コーディネーターを中心とした総合的な体制を推進し、支援の必要な児童・生徒一人ひとりの教育的ニーズに応じた「個別の教育支援計画」を作成して適切な指導および支援の充実を図ること。また、特別支援教育の視点を取り入れたわかりやすい授業づくりと一人ひとりが尊重され安心して学べる学級集団づくりに努めること。
(5) 学校ICT整備事業等により配備された校務用および教育用PC、大型TV、Eボード等のICTの積極的な活用と研修の充実に努め、校務の効率化と授業における指導の工夫を図るとともに、児童・生徒の情報活用能力・情報モラルの育成に努めること。
(6) 児童・生徒の体力向上については、各校において「新体力テスト」を積極的に実施し、その結果分析から児童・生徒の体力の状況を把握し、体育の授業はもとより、学校教育全体で効果的に取組むとともに、家庭・地域と連携して、運動機会の確保や生活習慣等の改善など体力向上の取組みを推進すること。また、「食に関する指導」については、全校において食育推進担当者を校務分掌に位置づけ、全体計画をもとに教育活動全体を通して実施すること。なお、実施にあたっては、学校・家庭・地域が連携し、教職員協同での指導内容・方法の研究を推進し、望ましい食習慣の形成に結びつく実践的な態度の育成に努めること。
(7) 小学校高学年における外国語活動については、校区中学校AETや英語科教員、地域の支援人材等と必要に応じて連携するとともに、「英語ノート」等の活用を中心にデジタル教材等も積極的に活用し、指導の充実を図ること。また、中核教員を中心に校内研修や研究授業の充実を図ること。なお、中学校における外国語(英語)教育は、小学校の外国語活動との円滑な接続に留意すること。
更新日:2011年8月10日