○大東市文化財保護条例

平成18年3月30日

条例第17号

目次

第1章 総則(第1条―第5条)

第2章 市指定有形文化財(第6条―第21条)

第3章 市指定無形文化財(第22条―第27条)

第4章 市指定有形民俗文化財及び市指定無形民俗文化財(第28条―第35条)

第5章 市指定史跡名勝天然記念物(第36条―第42条)

第6章 市登録文化財(第43条―第46条)

第7章 埋蔵文化財(第47条)

第8章 市選定保存技術(第48条―第51条)

第9章 文化財保護審議会(第52条)

第10章 補則(第53条・第54条)

第11章 罰則(第55条―第57条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、文化財保護法(昭和25年法律第214号。以下「法」という。)及び大阪府文化財保護条例(昭和44年大阪府条例第5号。以下「府条例」という。)の規定による指定又は登録を受けた文化財以外の文化財で、市の区域内に存するもののうち市にとって重要なもの又は保存及び活用のための措置が特に必要なものについて、その保存、継承及び活用のため必要な措置を講じ、もって市民の郷土に対する認識を高めるとともに文化の向上及び発展に資することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において「文化財」とは、法第2条第1項各号に掲げるもののうち有形文化財、無形文化財、民俗文化財及び記念物をいう。

(市の責務)

第3条 市は、文化財が市の歴史、文化等の正しい理解のため欠くことのできないものであり、かつ、将来の文化の向上発展の基礎をなすものであることを認識し、その保存、継承及び活用が適切に行われるよう必要な施策を講じなければならない。

(市民、所有者等の責務)

第4条 市民は、市がこの条例の目的を達成するために行う措置に誠実に協力しなければならない。

2 文化財の所有者その他の関係者は、文化財が貴重な財産であることを自覚し、これを公共のために大切に保存し、継承するとともに、できるだけこれを公開する等文化的活用に努めなければならない。

(財産権の尊重及び他の公益との調整)

第5条 市長は、この条例の執行に当たっては、関係者の所有権その他の財産権を尊重するとともに、文化財の保護と他の公益との調整に留意しなければならない。

第2章 市指定有形文化財

(指定)

第6条 市長は、市の区域内に存する有形文化財(国又は大阪府が指定しているものを除く。)のうち、市にとって重要なものを大東市指定有形文化財(以下「市指定有形文化財」という。)に指定することができる。

2 市長は、前項の規定による指定をしようとするときは、あらかじめ、指定しようとする有形文化財の所有者及び権原に基づく占有者(以下「所有者等」という。)の同意を得なければならない。ただし、所有者等が判明しない場合は、この限りでない。

3 市長は、第1項の規定による指定をしようとするときは、あらかじめ、大東市文化財保護審議会(以下「審議会」という。)に諮問しなければならない。

4 第1項の規定による指定は、その旨を告示するとともに、当該有形文化財の所有者等に通知して行うものとする。

5 第1項の規定による指定は、前項の規定による告示があった日からその効力を生ずる。

6 市長は、第1項の規定による指定をしたときは、当該市指定有形文化財の所有者等に指定書を交付しなければならない。

(解除)

第7条 市長は、市指定有形文化財がその価値を失ったときその他特別の事由があるときは、その指定を解除することができる。

2 前項の規定による指定の解除については、前条第3項から第5項までの規定を準用する。

3 市指定有形文化財を国が重要有形文化財として、大阪府が有形文化財として指定したときは、当該市指定有形文化財の指定は、解除されたものとする。

4 前項の場合において、市長は、その旨を告示するとともに、当該市指定有形文化財の所有者等に通知しなければならない。

5 第2項において準用する前条第4項の規定による市指定有形文化財の指定の解除の通知を受けたとき又は前項の規定による通知を受けたときは、当該市指定有形文化財の所有者は、速やかに前条第6項に規定する指定書を市長に返納しなければならない。

(所有者の管理義務及び管理責任者)

第8条 市指定有形文化財の所有者は、この条例及び規則並びに市長の指示に従い、市指定有形文化財を管理しなければならない。

2 市指定有形文化財の所有者は、特別の事由があるときは、専ら自己に代わり当該市指定有形文化財の管理の責に任ずべき者(以下この章において「管理責任者」という。)を選任することができる。

3 前項の規定により管理責任者を選任したときは、当該市指定有形文化財の所有者は、速やかにその旨を市長に届け出なければならない。管理責任者を変更し、又は解任した場合も同様とする。

4 管理責任者には、第1項の規定を準用する。

(所有者又は管理責任者の変更等の届出)

第9条 市指定有形文化財の所有者の変更があったときは、新所有者は、速やかにその旨を市長に届け出なければならない。

2 市指定有形文化財の所有者又は管理責任者は、その氏名若しくは名称又は住所を変更したときは、速やかにその旨を市長に届け出なければならない。

(滅失、損傷等の届出)

第10条 市指定有形文化財の全部又は一部が滅失し、若しくは損傷し、又はこれを亡失し、若しくは盗み取られたときは、当該市指定有形文化財の所有者又は管理責任者は、速やかにその旨を市長に届け出なければならない。

(所在の変更の届出)

第11条 市指定有形文化財の所在の場所を変更しようとするときは、当該市指定有形文化財の所有者又は管理責任者は、あらかじめ、その旨を市長に届け出なければならない。ただし、規則で定める場合には、届出を要せず、又は所在の場所を変更した後届け出ることをもって足りるものとする。

(所有者による修理)

第12条 市指定有形文化財の修理は、所有者が行うものとする。

2 所有者は、市指定有形文化財を修理しようとするときは、あらかじめ、その旨を市長に届け出なければならない。ただし、次条第1項の規定による補助金の交付、第15条第2項の規定による勧告又は第17条第1項の規定による許可を受けて修理を行う場合は、この限りでない。

3 市長は、市指定有形文化財を保護するため必要があると認めるときは、前項の届出に係る修理に関し、技術的な指導又は助言をすることができる。

(管理又は修理の補助等)

第13条 市長は、市指定有形文化財の管理又は修理につき多額の経費を要し、所有者がその負担に堪えることができない場合その他特別の事由がある場合は、その経費の一部に充てさせるため、当該所有者に対し、予算の範囲内で補助金を交付することができる。

2 前項の規定により補助金を交付する場合において、市長は、その補助の条件として管理又は修理に関し必要な事項を指示するとともに、必要があると認めるときは、当該管理又は修理について指揮監督することができる。

(補助金の返還等)

第14条 市長は、前条第1項の規定による補助金の交付を受ける所有者が次の各号のいずれかに該当するときは、当該補助金の全部若しくは一部を交付せず、又は当該所有者に対し既に交付した補助金の全部若しくは一部の返還を命じることができる。

(1) 管理又は修理に関し、この条例又は規則に違反したとき。

(2) 補助金の交付を受けた目的以外の目的に補助金を使用したとき。

(3) 前条第2項の補助の条件に従わなかったとき。

(管理又は修理に関する勧告)

第15条 市長は、市指定有形文化財の管理が適当でないため、当該市指定有形文化財が滅失し、損傷し、又は盗み取られるおそれがあると認めるときは、所有者又は管理責任者に対し、管理方法の改善、保存施設の設置その他管理に関し必要な措置を勧告することができる。

2 市長は、市指定有形文化財が損傷している場合において、その保存のため必要があると認めるときは、所有者に対し、その修理について必要な勧告をすることができる。

3 市長は、前2項の規定による勧告に基づいて行う措置又は修理のために要する経費の一部に充てるため、当該所有者に対し、予算の範囲内で補助金を交付することができる。

4 前項の場合においては、第13条第2項及び前条の規定を準用する。

(有償譲渡の場合の納付金)

第16条 市指定有形文化財の修理又は管理に関し必要な措置(以下この条において「修理等」という。)について第13条第1項又は前条第3項の規定により、市長が補助金を交付した市指定有形文化財のその当時における所有者又はその相続人、受遺者若しくは受贈者は、補助に係る修理等が行われた後に当該市指定有形文化財を有償で譲り渡した場合においては、当該補助金の額の合計額から当該修理等が行われた後に当該市指定有形文化財の修理等のために自ら負担した金額を控除して得た金額を市に納付しなければならない。

2 前項に規定する「補助金の額」とは、市長が交付した補助金の額を補助に係る修理等を行った市指定有形文化財につき市長が別に定める耐用年数で除して得た金額に、当該耐用年数から修理等が完了した月から起算して当該市指定有形文化財が譲渡された月の前月までの年数を控除した残余の年数(1年に満たない部分があるときは、これを切り捨てる。)を乗じて得た金額に相当する金額とする。

3 補助に係る修理等が行われた後、当該市指定有形文化財を市に譲り渡した場合その他特別の事由がある場合は、市長は、第1項の規定により納付すべき金額の全部又は一部の納付を免除することができる。

(現状変更等の制限)

第17条 市指定有形文化財の現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとするときは、市長の許可を受けなければならない。ただし、現状の変更については、維持の措置若しくは非常災害のために必要な応急措置を講じる場合又は保存に影響を及ぼす行為による影響が軽微である場合は、この限りでない。

2 前項ただし書に規定する維持の措置の範囲は、規則で定める。

3 市長は、第1項の許可を与える場合において、その許可の条件として同項の現状の変更又は保存に影響を及ぼす行為に関し必要な指示をすることができる。

4 第1項の許可を受けた者が前項の許可の条件に従わなかったときは、市長は、当該許可に係る現状の変更若しくは保存に影響を及ぼす行為の停止を命じ、又は当該許可を取り消すことができる。

5 市は、第1項の許可を受けることができなかったこと又は第3項の許可の条件を付せられたことによって損失を受けた者に対して、その通常生ずべき損失を補償する。

(公開)

第18条 市長は、市指定有形文化財の所有者に対し、6か月以内の期間を限って市が行う公開の用に供するため、市指定有形文化財を出品することを勧告することができる。

2 市長は、市指定有形文化財の所有者に対し、3か月以内の期間を限って市指定有形文化財の公開を勧告することができる。

3 市長は、前項の規定による公開及び当該公開に係る市指定有形文化財の管理について必要な指示をすることができる。

4 第1項の規定による出品に要する費用については、市の負担とし、第2項の規定による公開のために要する費用は、予算の範囲内でその全部又は一部を市の負担とすることができる。

5 市長は、第1項の規定による市指定有形文化財が出品されたときは、その職員のうちから当該市指定有形文化財の管理を行うべき者を定めなければならない。

6 第1項又は第2項の規定により出品し、又は公開したことに起因して当該市指定有形文化財が滅失し、又は損傷したときは、市は、当該市指定有形文化財の所有者に対し、通常生ずべき損失を補償する。ただし、当該所有者又は管理責任者の責に帰すべき事由によって滅失し、又は損傷したときは、この限りでない。

(所有者以外の者による公開)

第19条 市指定有形文化財の所有者以外の者が主催する展覧会その他の催しにおいて、市指定有形文化財を公衆の観覧に供しようとするときは、あらかじめ、その旨を市長に届け出なければならない。ただし、前条第1項の規定による勧告を受けて市指定有形文化財を公開する場合は、この限りでない。

2 市長は、市指定有形文化財を保護するため必要があると認めるときは、前項の規定による届出に係る公開及び当該公開に係る市指定有形文化財の管理に関し必要な指示をすることができる。

(報告の徴収)

第20条 市長は、必要があると認めるときは、市指定有形文化財の所有者又は管理責任者に対し、市指定有形文化財の現状又は管理若しくは修理の状況につき報告を求めることができる。

(所有者の変更に伴う権利義務等の承継)

第21条 市指定有形文化財の所有者の変更があったときは、新所有者は、当該市指定有形文化財に関し、この条例に基づいて行う市長の勧告、指示その他の処分等の旧所有者の権利義務等を承継する。

2 前項の場合において、旧所有者は、当該市指定有形文化財の引渡しと同時にその指定書を新所有者に引き渡さなければならない。

第3章 市指定無形文化財

(指定及び認定)

第22条 市長は、市の区域内に存する無形文化財(国又は大阪府が指定しているものを除く。)のうち、市にとって重要なものを大東市指定無形文化財(以下「市指定無形文化財」という。)に指定することができる。

2 市長は、前項の規定による指定をしようとするときは、当該無形文化財の保持者又は保持団体(無形文化財を保持する者が主たる構成員となっている団体で代表者の定めのあるものをいう。以下同じ。)を認定しなければならない。

3 市長は、第1項の規定による指定又は前項の規定による認定をしようとするときは、あらかじめ、審議会に諮問しなければならない。

4 第1項の規定による指定及び第2項の規定による認定は、その旨を告示するとともに、当該無形文化財の保持者又は保持団体として認定しようとするもの(保持団体にあっては、その代表者)に通知して行うものとする。

5 第1項の規定による指定及び第2項の規定による認定は、前項の規定による告示があった日からその効力を生ずる。

6 市長は、第2項の規定による認定をしたときは、当該市指定無形文化財の保持者又は保持団体に認定書を交付しなければならない。

7 市長は、第1項の規定による指定をした後においても、当該市指定無形文化財の保持者又は保持団体として認定するに足りるものがあると認めるときは、そのものを保持者又は保持団体として追加認定することができる。

8 前項の規定による追加認定については、第3項から第6項までの規定を準用する。

(指定及び認定の解除)

第23条 市長は、市指定無形文化財がその価値を失ったときその他特別の事由があるときは、その指定を解除することができる。

2 市長は、保持者が心身の故障のため保持者として適当でなくなったと認められるとき、保持団体がその構成員の異動のため保持団体として適当でなくなったと認められるときその他特別の事由があるときは、その認定を解除することができる。

3 第1項の規定による指定の解除又は前項の規定による認定の解除については、前条第3項の規定を準用する。

4 第1項の規定による指定の解除又は第2項の規定による認定の解除については、その旨を告示するとともに、当該市指定無形文化財の保持者又は保持団体の代表者に通知して行うものとする。

5 市指定無形文化財を国が重要無形文化財として、大阪府が無形文化財として指定したときは、当該市指定無形文化財の指定並びに保持者及び保持団体の認定は、解除されたものとする。

6 前項の場合において、市長は、その旨を告示するとともに、当該市指定無形文化財の保持者として認定されていた者又は保持団体として認定されていた団体の代表者に通知しなければならない。

7 保持者が死亡したとき又は保持団体が解散したとき(消滅したときを含む。以下この条及び次条において同じ。)は、当該保持者又は保持団体の認定は解除されたものとする。この場合において、市長は、その旨を告示しなければならない。

8 保持者の全てが死亡したとき又は保持団体の全てが解散したときは、市指定無形文化財の指定は解除されたものとする。この場合において、市長は、その旨を告示しなければならない。

9 第4項及び第6項の規定による通知を受けたときは、当該市指定無形文化財保持者又は保持団体は速やかに前条第6項に規定する認定書を市長に返納しなければならない。

(保持者等の氏名変更等の届出)

第24条 保持者が氏名若しくは住所を変更し、又は死亡したときその他規則で定める事由があるときは、保持者又はその相続人は、速やかにその旨を市長に届け出なければならない。保持団体が名称、事務所の所在地若しくは代表者を変更し、構成員に異動を生じ、又は解散したときも、代表者(保持団体が解散した場合にあっては、代表者であった者)について、同様とする。

(保存)

第25条 市長は、市指定無形文化財の保存のため必要があると認めるときは、市指定無形文化財について、自ら記録の作成、継承者の養成その他その保存のための適当な措置を執ることができる。

2 市長は、市指定無形文化財の保持者又は保持団体その他その保存に当たることを適当と認める者に対し、その保存に要する経費の一部を予算の範囲内で補助することができる。

3 前項の規定により補助金を交付する場合には、第13条第2項及び第14条の規定を準用する。

(保存に関する助言又は勧告)

第26条 市長は、市指定無形文化財の保持者又は保持団体その他その保存に当たることを適当と認める者に対し、その保存のため必要な助言又は勧告をすることができる。

(公開)

第27条 市長は、市指定無形文化財の保持者又は保持団体に対し市指定無形文化財の公開を、市指定無形文化財の記録の所有者に対しその記録の公開を勧告することができる。

2 市長は、前項の規定による市指定無形文化財の公開及びその記録の公開に関し必要な指示をすることができる。

3 第1項の規定による市指定無形文化財の公開に要する経費は、当該公開を市が行う場合には市の負担とし、その他の場合には予算の範囲内でその全部又は一部を市の負担とすることができる。

4 市長は、第1項の規定による市指定無形文化財の記録の公開に要する経費の一部を予算の範囲内で補助することができる。

5 前項の規定により補助金を交付する場合には、第13条第2項及び第14条の規定を準用する。

6 第1項の規定により市指定無形文化財の記録を公開したことに起因して、当該市指定無形文化財の記録が滅失し、又は損傷した場合には、第18条第6項の規定を準用する。

第4章 市指定有形民俗文化財及び市指定無形民俗文化財

(指定)

第28条 市長は、市の区域内に存する有形の民俗文化財(国又は大阪府が指定しているものを除く。)のうち、市にとって重要なものを大東市指定有形民俗文化財(以下「市指定有形民俗文化財」という。)に、無形の民俗文化財(国又は大阪府が指定しているものを除く。)のうち、市にとって重要なものを大東市指定無形民俗文化財(以下「市指定無形民俗文化財」という。)に指定することができる。

2 前項の規定による市指定有形民俗文化財の指定については、第6条第2項から第6項までの規定を準用する。

3 第1項の規定による市指定無形民俗文化財の指定については、第22条第3項の規定を準用する。

4 第1項の規定による市指定無形民俗文化財の指定については、その旨を告示することによって行う。

(解除)

第29条 市長は、市指定有形民俗文化財又は市指定無形民俗文化財がその価値を失ったときその他特別の事由があるときは、その指定を解除することができる。

2 前項の規定による市指定有形民俗文化財の指定の解除については、第7条第2項及び第5項の規定を準用する。

3 第1項の規定による市指定無形民俗文化財の指定の解除については、第23条第3項の規定を準用する。

4 第1項の規定による市指定無形民俗文化財の指定の解除は、その旨を告示して行うものとする。

5 市指定有形民俗文化財又は市指定無形民俗文化財を国が重要有形民俗文化財又は重要無形民俗文化財として、大阪府が有形民俗文化財又は無形民俗文化財として指定したときは、当該市指定有形民俗文化財又は市指定無形民俗文化財の指定は、解除されたものとする。

6 前項の規定による市指定有形民俗文化財の指定の解除については、第7条第4項及び第5項の規定を準用する。

7 第5項の規定による市指定無形民俗文化財の指定の解除については、市長は、その旨を告示しなければならない。

(市指定有形民俗文化財の現状変更等)

第30条 市指定有形民俗文化財の現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとするときは、あらかじめ、その旨を市長に届け出なければならない。

2 市長は、市指定有形民俗文化財の保護上必要があると認めるときは、前項の規定による届出に係る現状の変更又は保存に影響を及ぼす行為に関し必要な指示をすることができる。

(市指定有形民俗文化財に関する準用規定)

第31条 第8条から第16条まで及び第18条から第21条までの規定は、市指定有形民俗文化財について準用する。

(市指定無形民俗文化財の保存)

第32条 市長は、市指定無形民俗文化財の保存のため必要があると認めるときは、市指定無形民俗文化財について、自ら記録の作成その他その保存のための適当な措置を執ることができる。

2 市長は、市指定無形民俗文化財の保存に当たることを適当と認める者に対し、その保存に要する経費の一部を予算の範囲内で補助することができる。

3 前項の規定により補助金を交付する場合には、第13条第2項及び第14条の規定を準用する。

(市指定無形民俗文化財の保存に関する助言又は勧告)

第33条 市長は、市指定無形民俗文化財の保存に当たることを適当と認める者に対し、その保存のため必要な助言又は勧告をすることができる。

(市指定無形民俗文化財の記録の公開)

第34条 市長は、市指定無形民俗文化財の記録の所有者に対し、その記録の公開を勧告することができる。

2 前項の規定による公開については、第27条第4項から第6項までの規定を準用する。

(市指定無形民俗文化財以外の無形の民俗文化財の記録作成等)

第35条 市長は、市指定無形民俗文化財以外の無形の民俗文化財のうち特に必要なものを選択して、自らその記録を作成し、保存し、又は公開することができる。

2 前項の規定による選択については、第22条第3項の規定を準用する。

3 市長は、適当と認める者に対し、当該無形の民俗文化財の公開又はその記録の作成、保存若しくは公開に要する経費の一部を予算の範囲内で補助することができる。

4 前項の規定により補助金を交付する場合には、第13条第2項及び第14条の規定を準用する。

第5章 市指定史跡名勝天然記念物

(指定)

第36条 市長は、市の区域内に存する記念物(国又は大阪府が指定しているものを除く。)のうち、市にとって重要なものを大東市指定史跡、大東市指定名勝又は大東市指定天然記念物(以下「市指定史跡名勝天然記念物」という。)に指定することができる。

2 前項の規定による指定については、第6条第2項から第6項までの規定を準用する。

(解除)

第37条 市長は、市指定史跡名勝天然記念物がその価値を失ったときその他特別の事由があるときは、その指定を解除することができる。

2 市指定史跡名勝天然記念物を国又は大阪府が史跡名勝天然記念物として指定したときは、当該市指定史跡名勝天然記念物の指定は、解除されたものとする。

3 第1項の規定による指定の解除については第7条第2項及び第5項の、前項の場合については同条第4項及び第5項の規定を準用する。

(所有者による管理及び復旧)

第38条 市指定史跡名勝天然記念物の所有者は、この条例及び規則並びに市長の指示に従い、当該市指定史跡名勝天然記念物の管理及び復旧に当たるものとする。

2 市指定史跡名勝天然記念物の所有者は、特別の事由があるときは、専ら自己に代わり当該市指定史跡名勝天然記念物の管理の責に任ずべき者(以下この章において「管理責任者」という。)を選任することができる。この場合において、第8条第3項の規定を準用する。

3 管理責任者には、第1項の規定を準用する。

(土地の所在等の異動の届出)

第39条 市指定史跡名勝天然記念物の指定地域内の土地について、その土地の所在、地番、地目又は地積に異動があったときは、所有者又は管理責任者は、速やかにその旨を市長に届け出なければならない。

(管理及び復旧の補助等)

第40条 市指定史跡名勝天然記念物の管理及び復旧については、第12条から第15条までの規定を準用する。

(現状変更等の制限)

第41条 市指定史跡名勝天然記念物の現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとするときは、市長の許可を受けなければならない。ただし、現状の変更については、維持の措置若しくは非常災害のために必要な応急措置を執る場合又は保存に影響を及ぼす行為については影響が軽微である場合は、この限りでない。

2 前項ただし書に規定する維持の措置の範囲は、規則で定める。

3 第1項の規定による許可を与える場合には、第17条第3項及び第4項の規定を準用する。

4 第1項の許可を受けず、又は前項で準用する第17条第3項の規定による許可の条件に従わないで、市指定史跡名勝天然記念物の現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をした者に対しては、市長は、当該市指定史跡名勝天然記念物の原状回復を命じることができる。この場合において、市長は、当該原状回復に関し必要な指示をすることができる。

(準用規定)

第42条 第9条第10条第16条第17条第5項第20条及び第21条の規定は、市指定史跡名勝天然記念物について準用する。

第6章 市登録文化財

(登録)

第43条 市長は、市の区域内に存する文化財(国が指定又は文化財登録原簿(法に規定する文化財登録原簿をいう。以下同じ。)に登録しているもの、大阪府が指定又は大阪府登録文化財(府条例に規定する大阪府登録文化財をいう。以下同じ。)として登録しているもの及び第2章から前章までの規定により指定されたものを除く。)のうち、市にとって保存及び活用のための措置が特に必要なものを大東市登録文化財(以下「市登録文化財」という。)として登録することができる。

2 市長は、前項の規定による登録をしようとするときは、あらかじめ、登録しようとする文化財の所有者等の同意を得なければならない。ただし、所有者等が判明しない場合は、この限りでない。

3 市長は、第1項の規定による登録をしようとするときは、あらかじめ、審議会に諮問しなければならない。

4 第1項の規定による登録は、その旨を告示するとともに、当該文化財の所有者等に通知して行うものとする。

5 第1項の規定による登録は、前項の規定による告示があった日からその効力を生ずる。

6 市長は、第1項の規定による登録をしたときは、当該市登録文化財の所有者等に登録証を交付しなければならない。

(抹消)

第44条 市長は、市登録文化財についてその保存及び活用のための措置を講じる必要がなくなった場合その他特別の事由があるときは、その登録を抹消することができる。

2 前項の規定による登録の抹消については、前条第3項から第5項までの規定を準用する。

3 市登録文化財を国が指定又は文化財登録原簿に登録したとき、大阪府が指定又は大阪府登録文化財として登録したとき、又は市が第2章から前章までの規定により指定したときは、当該市登録文化財の登録は、抹消されたものとする。

4 前項の場合において、市長は、その旨を告示するとともに、当該市登録文化財の所有者等に通知しなければならない。

5 第2項において準用する前条第4項の規定による市登録文化財の登録の抹消の通知を受けたとき、又は前項の規定による通知を受けたときは、当該市登録文化財の所有者等は、速やかに前条第6項に規定する登録証を市長に返納しなければならない。

(現状変更等の届出)

第45条 市登録文化財の現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとするときは、あらかじめ、その旨を市長に届け出なければならない。ただし、現状の変更については、維持の措置若しくは非常災害のために必要な応急措置を執る場合又は保存に影響を及ぼす行為については影響が軽微である場合は、この限りでない。

2 前項ただし書に規定する維持の措置の範囲は、規則で定める。

3 市長は、市登録文化財の保護上必要があると認めるときは、第1項の規定による届出に係る現状の変更又は保存に影響を及ぼす行為に関し必要な指導、助言又は勧告をすることができる。

(準用規定)

第46条 第8条から第16条まで及び第18条から第21条までの規定は、市登録文化財について準用する。

第7章 埋蔵文化財

(埋蔵文化財の保護)

第47条 市長は、市の区域内に存する法に規定する周知の埋蔵文化財包蔵地の周知徹底を図り、土木工事等によって当該周知の埋蔵文化財包蔵地が損傷し、又は出土遺物が散逸しないよう、所有者その他の関係者に適切な指導又は助言を行い、その防止に努めなければならない。

2 何人も、宅地の造成、土地の開こん等により法に規定する埋蔵文化財を発見したときは、当該埋蔵文化財が貴重な財産であることを自覚し、その損傷及び散逸の防止に留意するとともに、当該埋蔵文化財包蔵地の保存に努めなければならない。

3 何人も、市が行う埋蔵文化財の発掘調査、試掘調査その他の保護措置に協力するよう努めなければならない。

第8章 市選定保存技術

(選定)

第48条 市長は、市の区域内に存する伝統的な技術又は技能のうち、第2章から第5章までの規定により指定され、又は第6章の規定により市登録文化財として登録された文化財の保存のために欠くことのできないもの(国又は大阪府が選定しているものを除く。)で、保存の措置を講じる必要があるものを大東市選定保存技術(以下「市選定保存技術」という。)に選定することができる。

2 市長は、前項の規定による選定をしようとするときは、当該市選定保存技術の保持者(以下この章において「保持者」という。)又はその保存団体(市選定保存技術を保存することを主たる目的とする団体で代表者又は管理人の定めのある者をいう。以下この章において「保存団体」という。)を認定しなければならない。

3 前項の規定による認定は、保持者と保存団体とを併せてすることができる。

4 第1項の規定による選定及び第2項の規定による認定については、第22条第3項から第6項までの規定を準用する。

(解除)

第49条 市長は、市選定保存技術について、保存の措置を講じる必要がなくなったときその他特別の事由があるときは、その選定を解除することができる。

2 市長は、保持者が心身の故障のため保持者として適切でなくなったと認められるとき、保存団体が保存団体として適当でなくなったと認められるときその他特別の事由があるときは、その認定を解除することができる。

3 市選定保存技術を国又は大阪府が選定保存技術として選定したときは、当該市選定保存技術の選定並びに保持者及び保存団体の認定は、解除されたものとする。

4 第1項の規定による選定の解除又は第2項の規定による認定の解除については、第23条第3項及び第4項の規定を準用する。

5 前条第2項の規定による認定が保持者のみについてなされた場合において当該保持者が全て死亡したとき、同項の規定による認定が保存団体のみについてなされた場合において当該保存団体が全て解散したとき(消滅したときを含む。以下この項において同じ。)又は同項の認定が当該保持者と保存団体とを併せてなされた場合においては保持者の全てが死亡し、かつ、保存団体の全てが解散したときは、市選定保存技術の選定は解除されたものとする。この場合において、市長は、その旨を告示しなければならない。

6 第3項の規定による選定の解除及び認定の解除については、第23条第6項及び第8項の規定を準用する。

(保存等)

第50条 第24条の規定は保持者及び保存団体に、第25条の規定は市選定保存技術の保存についてそれぞれ準用する。

(保存に関する指導又は助言)

第51条 市長は、市選定保存技術の保持者又は保存団体その他の保存に当たることを適当と認める者に対し、その保存のため必要な指導又は助言をすることができる。

第9章 文化財保護審議会

(設置)

第52条 文化財に関する市長の諮問に応じるため、法の規定に基づき審議会を設置する。

2 審議会は、市の区域内に存する文化財の保存、継承及び活用に関する重要事項を調査審議する。

3 審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。

第10章 補則

(標識等の設置)

第53条 市長は、市指定有形文化財、市指定有形民俗文化財、市指定史跡名勝天然記念物及び市登録文化財のうち、市民の観覧のため必要があると認めるものについては、当該市指定の文化財又は市登録文化財の所有者等の同意を得て、標識又は説明板を設置することができる。

(委任)

第54条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

第11章 罰則

(罰則)

第55条 次の各号のいずれかに該当するものは、50,000円以下の罰金又は科料に処する。

(1) 市指定有形文化財を損壊し、き棄し、又は隠匿した者

(2) 市指定史跡名勝天然記念物の現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をして、これを滅失し、き損し、又は衰亡するに至らしめた者

第56条 第17条又は第41条の規定に違反して、市長の許可を受けず、又はその許可の条件に従わないで、市指定有形文化財又は市指定史跡名勝天然記念物の現状を変更し、若しくはその保存に影響を及ぼす行為をし、又は市長の現状の変更若しくは保存に影響を及ぼす行為の停止の命令に従わなかった者は、30,000円以下の罰金又は科料に処する。

第57条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業員が、その法人又は人の業務又は財産の管理に関して、前2条の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対して、各本条の罰金刑又は科料刑を科する。

(施行期日)

1 この条例は、規則で定める日から施行する。

(平成18年教委規則第9号で平成18年6月5日から施行)

(経過措置)

2 この条例の施行の際、改正前の大東市環境保全条例(昭和56年条例第3号。以下「旧条例」という。)の規定によりなされた指定、処分、手続その他の行為は、この条例の相当規定によりなされた指定、処分、手続その他の行為とみなす。

3 この条例の施行の際、旧条例の規定により設置されている大東市文化財保護委員会の委員は、この条例の規定により設置された審議会の委員とみなし、その任期は、従前の例による。

(令和2年条例第41号)

(施行期日)

1 この条例は、令和3年4月1日から施行する。

(令和4年条例第5号)

この条例は、令和4年4月1日から施行する。

大東市文化財保護条例

平成18年3月30日 条例第17号

(令和4年4月1日施行)

体系情報
第13編 育/第5章 文化・スポーツ
沿革情報
平成18年3月30日 条例第17号
令和2年12月22日 条例第41号
令和4年3月24日 条例第5号