○大東市子ども基本条例

平成19年9月28日

条例第26号

目次

前文

第1章 総則(第1条・第2条)

第2章 大人と子どもの責務(第3条―第5条)

第3章 行政の基本的政策(第6条―第10条)

第4章 推進体制等(第11条・第12条)

第5章 補則(第13条)

附則

子どもは社会の宝です。子どもはあらゆる可能性を持ち、そのエネルギーには限りないものがあります。

子どもは、生まれながらにして、生きる権利、育つ権利、守られる権利、参加する権利を持ち、夢に向かって大きくはばたいていこうとする存在です。

このような子どもをすべての大人は、この上ない愛情を持って守り育て、社会のルールに反したときには正しい方向に導かなければなりません。そして、子どもに生きることの素晴らしさや、平和な社会を守り発展させていくことの大切さを伝えていかなければなりません。

この条例を策定するに当たって、子どもたちの声を聴きました。

子どもたちは、「社会のルールを守らなければならない。」と言いました。

子どもたちは、「いじめは間違ったことである。」と言いました。

子どもたちは、「みんなが幸せになれる大東市にしてほしい。」と言いました。

大東市は、子どもたちから聴いた声を受け止め、すべての子どもを心豊かで、笑顔の絶えない元気な「大東っ子」に育てることを目標にその実現に全力を尽くします。そして、すべての人が子どもの誕生や成長を喜び、ともに支え合う社会を築くことを宣言して、この条例を定めます。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、すべての子ども(おおむね18歳未満の者をいう。以下同じ。)が心身ともに健やかに育つことができ、すべての人が安心して出産及び子育てができるよう、基本的なことについて定めることを目的とする。

(基本理念)

第2条 この条例の基本理念は、次のとおりとする。

(1) すべての子どもが、毎日笑顔で生活し、夢に向かって努力できるようにする。

(2) すべての大人が、子育てを楽しみ、子育てを通して人の温かい心と和を感じとれるようにする。

(3) すべての子どもと大人が、一つでも多くの喜びを共有することができるようにする。

第2章 大人と子どもの責務

(大人の役割)

第3条 大人は、一人ひとりが、子どもの良い手本となるように行動しなければならない。

2 大人は、互いに協力しながら、子どもを危険なことから守らなければならない。

3 大人は、いかなる場合も、子どもを虐待してはならない。

(保護者、地域住民、事業者及び学校等の役割)

第4条 保護者は、子どもが健やかに成長するように愛情を持って育て、可能な限り子どもと触れ合う機会を持たなければならない。

2 地域住民及び事業者は、子どもの育成活動に積極的に協力し、子育てしやすい環境づくりに配慮しなければならない。

3 学校等は、保護者及び地域住民と協力して、子どもの人間性を豊かにし、未来への可能性を開いていくよう積極的に取り組まなければならない。

(子どもの役割)

第5条 子どもは、家庭、地域、学校等において、あいさつをし、「ありがとう」と言える感謝の気持ちを持つことを心掛けなければならない。

2 子どもは、命の尊さを知り自分自身を大切にするとともに、人を思いやる心を持ち、いじめをせず、互いに助け合うことを心掛けなければならない。

3 子どもは、夢を持って努力する気持ちを大切にし、考えて行動しなければならない。

第3章 行政の基本的政策

(子育てのまちづくり)

第6条 市は、一人ひとりの人権を尊重し、子育てのしやすいまちづくりを行うものとする。

2 市は、子どもに多様な活動の場を提供するとともに、社会の一員であることの自覚を促すため、意見を述べることができる仕組みをつくるものとする。

(子育て・子育ち支援)

第7条 市は、子どもを育てる保護者の負担を軽減するための施策を実施するものとする。

2 市は、子どもの健康を保持し、増進させるための施策を実施するものとする。

3 市は、子どもの育成に関する相談体制の充実に努めるものとする。

4 市は、関係機関と連携し、悩みを抱える子どもが立ち直ることを支援し、自殺などの深刻な状態に陥ることを防止するため、相談体制の整備及び居場所づくり等の必要な措置を講じるものとする。

(いじめへの対応)

第8条 市は、いじめの早期発見に努め、子どもの立場に立った適切な措置を行うとともに、いじめを防止する仕組みをつくるものとする。

(虐待への対応)

第9条 市は、虐待の予防及び早期発見に努め、子どもの立場に立った適切な措置を行うとともに、解決に至るまでの仕組みをつくるものとする。

(生活の安全確保)

第10条 市は、関係機関及び地域住民と連携し、子どもの犯罪被害を未然に防止する施策を行うとともに、子どもに危険を回避する行動を身に付けさせるものとする。

2 市は、子どもが犯罪被害を受けた場合は、その子ども及び家庭を支援するものとする。

3 市は、関係機関及び地域住民と連携し、飲酒、喫煙、薬物等の危険から子どもを守るものとする。

第4章 推進体制等

(推進体制等)

第11条 市は、この条例の施策を効果的に実施するため、推進体制を整備し、計画を策定するとともに、実施した施策の評価を行うものとする。

(意見の反映等)

第12条 市は、この条例を改正する場合は、市民の意見を聴くとともに、その反映に努めるものとする。

2 市は、この条例の基本理念の内容等について市民の理解を深めるよう、広報等に努めるものとする。

第5章 補則

(委任)

第13条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行について必要な事項は、市長が別に定める。

この条例は、平成19年10月1日から施行する。

大東市子ども基本条例

平成19年9月28日 条例第26号

(平成19年10月1日施行)