○大東市議会議員の政治倫理に関する条例

令和2年2月20日

条例第2号

(目的)

第1条 この条例は、大東市議会議員(以下「議員」という。)が、その地位が市民の厳粛な信託によるものであることを認識し、市民全体の奉仕者として、人格と倫理の向上に努め、市政に対する市民の信頼に応えるとともに、市民の市政に対する正しい認識と自覚を喚起することにより、もって公正で開かれた民主的な市政の発展に寄与することを目的とする。

(議員及び市民の責務)

第2条 議員は、市政に携わる自らの権限と責務を深く自覚し、市民の信頼に値する倫理性を持つとともに、市民に対し、自ら進んでその高潔性を明らかにしなければならない。

2 市民は、主権者として市政に参加し、公共の利益を実現する自覚を持ち、議員に対し、その権限又は地位の影響力を不正に行使させるような働きかけをしてはならない。

(政治倫理規準)

第3条 議員は、次に掲げる政治倫理規準を遵守しなければならない。

(1) その地位を利用して不当に金品を授受しないこと。

(2) (市が出資する法人及び団体を含む。以下この号及び次条において同じ。)が行う許可、認可等の処分その他これらに類する行為若しくは市が行う売買、賃借、請負等の契約(以下「請負契約等」という。)又は地方自治法(昭和22年法律第67号)第244条の2第3項に規定する指定管理者(以下「指定管理者」という。)の指定に関して特定の企業等を推薦、紹介する等有利な取り計らいをしないこと。

(3) 市職員の公正な職務の遂行を妨げ、又はその職権を不正に行使するよう働きかけないこと。

(4) 前3号に掲げるもののほか、市民全体の奉仕者として、常に人格と倫理の向上に努め、品位と名誉を損なう一切の行為又はその職務に関して若しくはその地位を利用して不正の疑惑を持たれるおそれのある行為をしないこと。

2 議員は、前項に規定する政治倫理規準に反する事実があるとの疑惑を持たれたときは、自ら誠実な態度をもって疑惑の解明に当たるとともに、その責任を明らかにしなければならない。

(請負契約等に関する遵守事項)

第4条 議員は、地方自治法第92条の2の議員の兼業禁止に関する規定の趣旨を尊重し、市民に疑惑の念を生じさせないようにするため、その配偶者、2親等以内の親族若しくはこれらの者が役員をしている企業その他の法人又は次に掲げる企業その他の法人に、市に対する請負契約等を辞退させるものとする。ただし、災害等特別の事情があるときは、この限りでない。

(1) 議員が資本金その他これに準ずるものの3分の1以上を出資している企業その他の法人

(2) 議員が年額100万円以上の報酬、顧問料その他これらに準ずるものを収受している企業その他の法人

(3) 議員がその経営方針又は主要な取引に関与している企業その他の法人

2 前項に規定する企業その他の法人がある議員は、議員の任期開始の日(当該日の翌日以後に前項に規定する企業その他の法人に該当することとなったものにあっては、当該企業その他の法人に該当することとなった日)から30日以内に、請負契約等に係る辞退届を市長に提出させるものとする。

3 市長は、前項の辞退届の写しを大東市議会議長(以下「議長」という。)に送付するとともに、当該辞退届の提出のあった企業その他の法人について、規則で定める事項を公表するものとする。

(指定管理者の指定に関する遵守事項)

第5条 議員は、前条第1項に規定する企業その他の法人に、指定管理者の指定の申請を辞退させるものとする。ただし、他に適当な指定管理者がない等特別の事情のあるときは、この限りでない。

(市民の調査請求権)

第6条 地方自治法第18条に定める選挙権を有する市民は、議員が前3条の規定に違反する疑いがあると認めるときは、その100人以上の者の連署をもって、その代表者(第6項において「調査請求代表者」という。)から議長に対し、規則で定める調査請求書に議員が同条の規定に違反する疑いのあることを証する資料を添えて、調査を請求することができる。

2 議長は、前項の規定による調査の請求があったときは、調査請求書その他の資料の写しを遅滞なく市長に送付しなければならない。

3 市長は、前項の規定による送付を受けたときは、当該請求が第1項に定める要件を満たすものであることを確認した後、速やかに大東市長等の政治倫理に関する条例(令和2年条例第1号)第6条第2項に規定する大東市政治倫理審査会(以下「審査会」という。)に調査を求めなければならない。

4 審査会は、前項の規定による調査の求めがあったときは、速やかに調査を行い、その結果に関する報告書(次項及び第7項において「調査報告書」という。)を作成し、市長に提出しなければならない。

5 市長は、調査報告書の提出を受けたときは、調査報告書の写しを遅滞なく議長に送付しなければならない。

6 議長は、前項の規定による送付を受けたときは、規則で定める事項を速やかに公表するとともに、その内容を調査請求代表者に通知しなければならない。

7 議長は、調査報告書の内容を尊重し、前3条の規定に違反したと認められる議員に対して、勧告その他必要な措置を講ずることができる。

(議員の協力義務)

第7条 議員は、審査会からの要求があるときは、審査会に必要な資料を提出し、審査会の会議に出席して説明を行う等調査審議に必要な協力をしなければならない。

(委任)

第8条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、公布の日から施行する。ただし、第6条及び第7条の規定は、令和2年6月1日から施行する。

(経過措置)

2 第4条の規定は、この条例の施行の日以後に行う請負契約等について適用する。

3 この条例の施行の際現に第4条第1項に規定する企業その他の法人に該当するものに係る同条第2項の適用については、同項中「議員の任期開始の日」とあるのは、「この条例の施行の日」と読み替えるものとする。

大東市議会議員の政治倫理に関する条例

令和2年2月20日 条例第2号

(令和2年6月1日施行)