○大東市準用河川管理施設等の構造の技術的基準を定める条例

平成24年12月25日

条例第36号

目次

第1章 総則(第1条・第2条)

第2章 堤防(第3条―第13条)

第3章 床止め(第14条―第17条)

第4章 (第18条―第29条)

第5章 樋門(第30条―第36条)

第6章 揚水機場及び排水機場(第37条―第40条)

第7章 (第41条―第46条)

第8章 伏せ越し(第47条―第51条)

第9章 雑則(第52条―第54条)

附則

第1章 総則

(趣旨)

第1条 この条例は、大東市内における準用河川管理施設又は河川法(昭和39年法律第167号。以下「法」という。)第26条第1項の許可を受けて設置される工作物(以下「許可工作物」という。)のうち、堤防その他主要なものの構造について準用河川の管理上必要とされる技術的基準に関し必要な事項を定めるものとする。

(用語の定義)

第2条 この条例において使用する用語の意義は、法及び河川管理施設等構造令(昭和51年政令第199号)に規定する用語の例による。

第2章 堤防

(適用の範囲)

第3条 この章の規定は、流水が河川外に流出することを防止するために設ける堤防について適用する。

(構造の原則)

第4条 堤防は、護岸、水制その他これらに類する施設と一体として、計画高水位以下の水位の流水の通常の作用に対して安全な構造とするものとする。

(材質及び構造)

第5条 堤防は、盛土により築造するものとする。ただし、土地利用の状況その他の特別の事情によりやむを得ないと認められる場合においては、その全部若しくは主要な部分がコンクリート、鋼矢板若しくはこれに準ずるものによる構造のものとし、又はコンクリート構造若しくはこれに準ずる構造の胸壁を有するものとすることができる。

(高さ)

第6条 堤防の高さは、計画高水位に0.6メートルを加えた値以上とするものとする。ただし、堤防に隣接する堤内の土地の地盤高(以下「堤内地盤高」という。)が計画高水位より高く、かつ、地形の状況等により治水上の支障がないと認められる区間にあっては、この限りでない。

2 胸壁を有する堤防の胸壁を除いた部分の高さは、計画高水位以上とするものとする。

(天端幅)

第7条 堤防の天端幅は、堤防の高さと堤内地盤高との差が0.6メートル未満である区間を除き、3メートル以上とするものとする。

(盛土による堤防の法勾配等)

第8条 盛土による堤防(胸壁の部分及び護岸で保護される部分を除く。次項において同じ。)の法勾配は、堤防の高さと堤内地盤高との差が0.6メートル未満である区間を除き、50パーセント以下とするものとする。

2 盛土による堤防の法面は、芝等によって覆うものとする。

(護岸)

第9条 流水の作用から堤防を保護するため必要がある場合においては、堤防の表法面に護岸を設けるものとする。

(水制)

第10条 流水の作用から堤防を保護するため、流水の方向を規制し、又は水勢を緩和する必要がある場合においては、適当な箇所に水制を設けるものとする。

(管理用通路)

第11条 堤防には、規則で定めるところにより、河川の管理のための通路(以下「管理用通路」という。)を設けるものとする。

(背水区間の堤防の高さの特例)

第12条 甲河川と乙河川が合流することにより乙河川に背水が生ずることとなる場合においては、合流箇所より上流の乙河川の堤防の高さは、第6条第1項の規定により定められるその箇所における甲河川の堤防の高さを下回らないものとするものとする。ただし、堤内地盤が計画高水位より高く、かつ、地形の状況等により治水上の支障がないと認められる区間及び逆流を防止する施設によって背水が生じないようにすることができる区間にあっては、この限りでない。

(天端幅の規定の適用除外等)

第13条 その全部又は主要な部分がコンクリート、鋼矢板又はこれらに準ずるものによる構造の堤防については、第7条の規定は適用しない。

2 胸壁を有する堤防に関する第7条の規定の適用については、胸壁を除いた部分の上面における堤防の幅から胸壁の直立部分の幅を減じたものを堤防の天端幅とみなす。

第3章 床止め

(構造の原則)

第14条 床止めは、計画高水位以下の水位の流水の作用に対して安全な構造とするものとする。

2 床止めは、付近の河岸及び河川管理施設の構造に著しい支障を及ぼさない構造とするものとする。

(護床工)

第15条 床止めを設ける場合において、これに接続する河床の洗掘を防止するため必要があるときは、適当な護床工を設けるものとする。

(護岸)

第16条 床止めを設ける場合においては、流水の変化に伴う河岸又は堤防の洗掘を防止するため、規則で定めるところにより、護岸を設けるものとする。

(魚道)

第17条 床止めを設ける場合において、魚類の遡上等を妨げないようにするため必要があるときは、規則で定めるところにより、魚道を設けるものとする。

第4章 

(構造の原則)

第18条 堰は、計画高水位以下の水位の流水の作用に対して安全な構造とするものとする。

2 堰は、計画高水位以下の水位の洪水の流下を妨げず、付近の河岸及び河川管理施設の構造に著しい支障を及ぼさず、並びに堰に接続する河床の洗掘の防止について適切に配慮された構造とするものとする。

(流下断面との関係)

第19条 可動堰の可動部(流水を流下させるためのゲート及びこれを支持する堰柱に限る。次条及び第21条において同じ。)以外の部分(堰柱を除く。)及び固定堰は、流下断面(計画横断形が定められている場合には、当該計画横断形に係る流下断面を含む。以下この条及び第42条第1項において同じ。)内に設けてはならない。ただし、山間狭窄部であることその他河川の状況、地形の状況等により治水上の支障がないと認められる場合及び河床の状況により流下断面内に設けることがやむを得ないと認められる場合において、治水上の機能の確保のため適切と認められる措置を講ずるときは、この限りでない。

(可動堰の可動部の径間長)

第20条 可動堰の可動部の径間長(隣り合う堰柱の中心線間の距離をいう。以下この章において同じ。)は、15メートル以上(可動部の全長(両端の堰柱の中心線間の距離をいう。次項において同じ。)が、15メートル未満である場合には、その全長の値)とするものとする。ただし、山間狭窄部であることその他河川の状況、地形の状況等により治水上の支障がないと認められるときは、この限りでない。

2 前項の規定にかかわらず、可動堰の可動部の全長が30メートル未満であるときは、可動部の径間長を12.5メートル以上とすることができる。

(可動堰の可動部の径間長の特例)

第21条 可動堰の可動部の一部を土砂吐きとしての効用を兼ねるものとする場合においては、前条第1項の規定にかかわらず、該当部分の径間長は、12.5メートル以上とすることができる。この場合において、可動部の径間長の平均値は、同条第2項に該当する可動堰の可動部を除き、15メートル以上でなければならない。

(可動堰の可動部のゲートの構造の原則)

第22条 可動堰の可動部のゲート(バルブを含む。以下この章において同じ。)は、確実に開閉し、かつ、必要な水密性及び耐久性を有する構造とするものとする。

2 可動堰の可動部のゲートの開閉装置は、ゲートの開閉を確実に行うことができる構造とするものとする。

3 可動堰の可動部のゲートは、予想される荷重に対して安全な構造とするものとする。

(可動堰の可動部のゲートに作用する荷重の種類)

第23条 可動堰の可動部のゲートに作用する荷重については、可動堰の可動部のゲートの自重、貯留水による静水圧の力、貯水池内に堆積する泥土による力、貯留水の氷結時における力、地震時における可動堰の可動部のゲートの慣性力、地震時における貯留水による動水圧の力及び可動堰の可動部のゲートの開閉によって生ずる力を採用するものとする。

(荷重等の計算方法)

第24条 前条に規定する荷重の計算その他可動堰の可動部のゲートの構造の計算に関し必要な事項は、規則で定める。

(可動堰の可動部のゲートの高さ)

第25条 可動堰の可動部の引上げ式ゲートの最大引上げ時における下端の高さは、計画高水位に0.6メートルを加えた値以上で、当該地点における河川の両岸の堤防(計画横断形が定められている場合において、計画堤防の高さが現状の堤防の高さより高いときは、計画堤防)の表法肩を結ぶ線の高さを下回らないものとするものとする。

2 可動堰の可動部の起伏式ゲートの倒伏時における上端の高さは、可動堰の基礎部(床版を含む。)の高さ以下とするものとする。

(可動堰の可動部の引上げ式ゲートの高さの特例)

第26条 背水区間に設ける可動堰の可動部の引上げ式ゲートの最大引上げ時における下端の高さは、治水上の支障が無いと認められるときは、前条第1項の規定にかかわらず、次に掲げる高さのうちいずれか高い方の高さ以上とすることができる。

(1) 当該河川に背水が生じないとした場合に定めるべき計画高水位に0.6メートルを加えた高さ

(2) 計画高水位

2 地盤沈下のおそれがある地域に設ける可動堰の可動部の引上げ式ゲートの最大引上げ時における下端の高さは、前条第1項及び前項の規定によるほか、予測される地盤沈下及び河川の状況を勘案して必要と認められる高さを下回らないものとする。

(管理施設)

第27条 可動堰には、必要に応じ、管理橋その他の適当な管理施設を設けるものとする。

(護床工等)

第28条 第15条から第17条までの規定は、堰を設ける場合について準用する。

(洪水を分流させる堰に関する特例)

第29条 第19条及び第25条の規定は、洪水を分流させる堰については、適用しない。

第5章 樋門

(構造の原則)

第30条 樋門は、計画高水位以下の水位の流水の作用に対して安全な構造とするものとする。

2 樋門は、計画高水位以下の水位の洪水の流下を妨げず、付近の河岸及び河川管理施設の構造に著しい支障を及ぼさず、並びに樋門に接続する河床の洗掘の防止について適切に配慮された構造とするものとする。

(構造)

第31条 樋門(ゲート及び管理施設を除く。)は、鉄筋コンクリート構造又はこれに準ずる構造とするものとする。

2 樋門は、堆積土砂等の排除に支障のない構造とするものとする。

(断面形)

第32条 河川を横断して設ける樋門の流水を流下させる部分の断面形は、計画高水流量を勘案して定めるものとする。

2 前項の規定は、河川及び準用河川以外の水路が河川に合流する箇所において当該水路を横断して設ける樋門について準用する。

(河川を横断して設ける樋門の径間長等)

第33条 河川を横断して設ける樋門で2門以上のゲートを有するものの内法幅は、5メートル以上とするものとする。ただし、内法幅が内法高の2倍以上となるときは、この限りでない。

(ゲート等の構造)

第34条 樋門のゲートは、確実に開閉し、かつ、必要な水密性を有する構造とするものとする。

2 樋門のゲートは、鋼構造又はこれに準ずる構造とするものとする。

3 樋門のゲートの開閉装置は、ゲートの開閉を確実に行うことができる構造とするものとする。

(管理施設等)

第35条 第27条の規定は、樋門について準用する。

(護床工等)

第36条 第15条及び第16条の規定は、樋門を設ける場合について準用する。

第6章 揚水機場及び排水機場

(揚水機場及び排水機場の構造の原則)

第37条 揚水機場及び排水機場は、河岸及び河川管理施設の構造に著しい支障を及ぼさない構造とするものとする。

2 揚水機場及び排水機場のポンプ室(ポンプを据え付ける床及びその下部の室に限る。)、吸水槽及び吐出水槽その他の調圧部は、鉄筋コンクリート構造又はこれに準ずる構造とするものとする。

(排水機場の吐出水槽等)

第38条 樋門を有する排水機場には、吐出水槽その他の調圧部を設けるものとする。ただし、樋門が横断する河岸又は堤防の構造に支障を及ぼすおそれがないときは、この限りでない。

2 吐出水槽その他の調圧部の上端の高さは、排水機場の樋門が横断する堤防(計画横断形が定められている場合において、計画堤防の高さが現状の堤防の高さより低く、かつ、治水上の支障がないと認められるとき、又は計画堤防の高さが現状の堤防の高さより高いときは、計画堤防)の高さ以上とするものとする。

(流下物排除施設)

第39条 揚水機場及び排水機場には、土砂、竹木その他の流下物を排除するため、沈砂池、スクリーンその他の適当な流下物排除施設を設けるものとする。ただし、河川管理上の支障がないと認められるときは、この限りでない。

(樋門)

第40条 揚水機場及び排水機場の樋門と樋門以外の部分とは、構造上分離するものとする。ただし、樋門が横断する河岸又は堤防の構造に支障を及ぼすおそれがないときは、この限りでない。

2 第33条の規定は、揚水機場又は排水機場の樋門でポンプによる揚水又は排水のみの用に供されるものについては、適用しない。

第7章 

(河川区域内に設ける橋台の構造の原則)

第41条 河川区域内に設ける橋台は、計画高水位以下の水位の流水の作用に対して安全な構造とするものとする。

2 河川区域内に設ける橋台は、計画高水位以下の水位の洪水の流下を妨げず、付近の河岸及び河川管理施設の構造に著しい支障を及ぼさず、並びに橋台に接続する河床の洗掘の防止について適切に配慮された構造とするものとする。

(橋台)

第42条 河岸又は背水区間に係る堤防(計画横断形が定められている場合には、計画堤防。以下この条において同じ。)に設ける橋台は、流下断面内に設けてはならない。ただし、山間狭窄部であることその他河川の状況、地形の状況等により治水上の支障がないと認められるときは、この限りでない。

2 堤防に設ける橋台(前項の橋台に該当するものを除く。)は、堤防の表法肩より表側の部分に設けてはならない。

3 堤防に設ける橋台の表側の面は、堤防の法線に平行して設けるものとする。ただし、堤防の構造に著しい支障を及ぼさないために必要な措置を講ずるときは、この限りでない。

4 堤防に設ける橋台の底面は、堤防の地盤に定着させるものとする。

(桁下高等)

第43条 第25条第1項及び第26条の規定は、橋の桁下高について準用する。この場合において、これらの規定中「可動堰の可動部の引上げ式ゲートの最大引上げ時における下端の高さ」とあるのは「橋の桁下高」と読み替えるものとする。

2 橋面(路面その他規則で定める橋の部分をいう。)の高さは、背水区間においても、橋が横断する堤防(計画横断形が定められている場合において、計画堤防の高さが現状の堤防の高さより低く、かつ、治水上の支障がないと認められるとき、又は計画堤防の高さが現状の堤防の高さより高いときは、計画堤防)の高さ以上とするものとする。

(護岸等)

第44条 第15条及び第16条の規定は、橋を設ける場合について準用する。

2 前項の規定による場合のほか、橋の下の河岸又は堤防を保護するため必要があるときは、河岸又は堤防をコンクリートその他これに類するもので覆うものとする。

(管理用通路の構造の保全)

第45条 (取付部を含む。)は、規則で定めるところにより、管理用通路の構造に支障を及ぼさない構造とするものとする。

(適用除外)

第46条 第42条第1項から第3項まで及び第43条の規定は、治水上の影響が著しく小さいものとして規則で定める橋については、適用しない。

2 この章(第43条及び前条を除く。)の規定は、堰と効用を兼ねる橋及び樋門に附属して設けられる橋については、適用しない。

第8章 伏せ越し

(適用の範囲)

第47条 この章の規定は、用水施設又は排水施設である伏せ越しについて適用する。

(構造の原則)

第48条 伏せ越しは、計画高水位以下の水位の流水の作用に対して安全な構造とするものとする。

2 伏せ越しは、計画高水位以下の水位の洪水の流下を妨げず、並びに付近の河岸及び河川管理施設の構造に著しい支障を及ぼさない構造とするものとする。

(構造)

第49条 堤防(計画横断形が定められている場合には、計画堤防を含む。以下この項において同じ。)を横断して設ける伏せ越しにあっては、堤防の下に設ける部分とその他の部分とは、構造上分離するものとする。ただし、堤防の地盤の地質、伏せ越しの深さ等を考慮して、堤防の構造に支障を及ぼすおそれがないときは、この限りでない。

2 第31条の規定は、伏せ越しの構造について準用する。

(ゲート等)

第50条 伏せ越しには、流水が河川外に流出することを防止するため、河川区域内の部分の両端又はこれに代わる適当な箇所に、ゲート(バルブを含む。次項において同じ。)を設けるものとする。ただし、地形の状況により必要がないと認められるときは、この限りでない。

2 ゲートの開閉装置は、ゲートの開閉を確実に行うことができる構造とするものとする。

3 第27条の規定は、伏せ越しについて準用する。

(深さ)

第51条 伏せ越しは、河床(計画横断形が定められている場合には、当該計画横断形に係る河床を含む。以下この条において同じ。)の表面又は堤防(計画横断形が定められている場合には、計画堤防を含む。以下この条において同じ。)の下の部分においては、堤防の地盤面から深さ2メートル以上の部分に設けるものとする。ただし、河床の変動が極めて小さいと認められるとき又は河川の状況その他の特別の事情によりやむを得ないと認められるときは、河床の表面又は堤防の地盤面より下の部分に設けることができる。

第9章 雑則

(適用除外)

第52条 この条例の規定は、次に掲げる河川管理施設又は許可工作物(以下「河川管理施設等」という。)については、適用しない。

(1) 治水上の機能を早急に向上させる必要がある小区間の河川における応急処置によって設けられる河川管理施設等

(2) 臨時に設けられる河川管理施設等

(3) 工事を施行するために仮に設けられる河川管理施設等

(4) 特殊な構造の河川管理施設等で、市長がその構造が第2章から第8章までの規定によるものと同等以上の効力があると認めるもの。

(計画高水流量等の決定又は変更があった場合の適用の特例)

第53条 河川管理施設等が、これに係る工事の着手(許可工作物にあっては、法第26条の許可。以下この条において同じ。)があった後における計画高水流量、計画横断形又は計画高水位(以下この条において「計画高水流量等」という。)の決定又は変更によってこの条例の規定に適合しないこととなった場合においては、当該河川管理施設等については、当該計画高水流量等の決定又は変更がなかったものとみなして当該規定を適用する。ただし、工事の着手が当該計画高水流量等の決定又は変更の後である改築(災害復旧又は応急措置として行われるものを除く。)に係る河川管理施設等については、この限りでない。

(小河川の特例)

第54条 計画高水流量が1秒間につき100立方メートル未満の小河川に設ける河川管理施設等については、規則で定めるところにより、この条例の規定によらないものとすることができる。

この条例は、平成25年4月1日から施行する。

大東市準用河川管理施設等の構造の技術的基準を定める条例

平成24年12月25日 条例第36号

(平成25年4月1日施行)

体系情報
第11編 設/第5章
沿革情報
平成24年12月25日 条例第36号