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河川浮遊ごみに関する大阪産業大学との共同研究について

記事ID:0037762 更新日:2022年6月6日更新 印刷ページ表示

 大東市の玄関口である住道駅前デッキの真下で、寝屋川と恩智川が合流していることをご存じでしょうか。合流地点では、河川の構造上、水の流れが遅くなるため、河川ごみが滞留しやすいポイントになっています。また、潮の満潮時には、河川の水が下流から上流へ逆流する現象が見られることがあります。
 これら複合的な要因により、時期、時間帯によっては、ごみ・水草等が多く浮いていることがありますが、なぜ住道駅付近で浮遊ごみが多く滞留するのか、そのメカニズムは明確にはわかっていません。

 そこで、大東市は、大阪産業大学の皆さんと共同で、住道駅前デッキ周辺の河川浮遊ごみ発生メカニズムを研究することとなりました。
 令和4年5月24日には、市が所有するボートで住道駅前デッキから寝屋川下流(鶴見区付近)まで行き、どのような場所にごみが溜まりやすいのか調査しました。
 今後も様々な調査を行い、河川浮遊ごみ発生メカニズムについての研究を進めていきます。

 

調査の様子02  調査の様子01

大学のみなさん
大阪産業大学の皆さん

 

 

 

GPS発信機を用いて河川浮遊ごみの動態を調査しました(令和4年9月27日掲載)

 河川浮遊ごみは、何日間でどこまで流れるのか、どこに滞留するのか等を調査するため、河川浮遊ごみに見立てたGPS発信機を河川に浮かべ、その動態を調査しました。

 調査開始日時:令和4年8月26日11時
 GPS発信機投入地点:住道新橋(大東市住道1丁目地内)

 調査終了日時:令和4年9月2日13時
 GPS発信機回収地点:新喜多大橋付近(大阪市城東区今福南1丁目地内)

GPS発信機
使用したGPS発信機

 

GPS発信機の様子
​GPS発信機を流している様子

 

GPS回収の様子
GPS発信機の回収の様子

 

調査結果について

 下図は、調査1日目、4日目、8日目のGPS発信機の位置を示したものです。「1→2→3→4→5」の順に動いていることを示しており、2時間間隔での位置を記録しています。

調査開始時
(地理院タイルを加工して作成)


調査1日目(令和4年8月26日)の動き
「1」11時(調査開始時)
「2」13時
「3」15時
「4」17時
「5」19時

GPS発信機を投入した地点は「1」ですが、「2→3→4→5」では逆流により上流へさかのぼっていることがわかります。

 

調査途中
​(地理院タイルを加工して作成)


調査4日目(令和4年8月29日)の動き
​「1」1時
「2」3時
「3」5時
「4」7時
「5」9時

「1→2→3」までは寝屋川を流れていますが、「4→5」では支流の大川へ逆流していることがわかります。

 

調査終了時
​(地理院タイルを加工して作成)


調査8日目(令和4年9月2日)の動き
​​「1」5時
「2」7時
「3」9時
「4」11時
「5」13時(調査終了時)

「1→2→3→4→5」の動きがほとんどなく、停滞していることがわかります。

 

 今回の調査では、GPS発信機は8日後の調査終了時には7km以上離れた地点に流れたことがわかりました。
 ただし、調査期間中には満潮等の影響で逆流することがあり、寝屋川支流の大川へ逆流することもありました。また、GPS発信機を回収した地点では、同一付近に14時間以上も停滞していたなど、河川浮遊ごみの動態は非常に複雑であることがことがわかりました。

 今後は、他の地点でもGPS発信機を用いた調査等を行い、河川環境向上のため、河川浮遊ごみについての研究をさらに発展させていきます。

大阪産業大学から令和4年度研究報告を受けました(令和5年3月17日掲載)

 本共同研究について、令和4年度に大阪産業大学の学生が卒業研究のテーマとして取り組まれ、その成果について、令和5年2月17日(金)に報告を受けました。

 プラスチックごみによる海洋汚染は世界的な問題として認識されています。その原因の1つとして、プラスチックごみが陸地から河川へ、そして河川から海洋へ流出することにあります。 

 この河川を浮遊するごみについて、「どこから流れて来たのか」、「どのように流れて行くのか」を明らかにするために、「食品容器のラベルやレシートから発生源を調査する研究」と、「河川にGPS発信機を流してごみの移動経路を調査する研究」が行われました。
 これらの結果、河川浮遊ごみの1/4程度は本市由来であることが分かりました。また、寝屋川・恩智川は潮の満ち引き等の影響で順流・逆流を何度も繰り返しており、河川浮遊ごみについても、同じように順流・逆流を繰り返していました。そのため、ごみが滞留しやすく、海洋に流入するまでに時間がかかることがわかりました。

 本市では、ボートを用いて、河川浮遊ごみの清掃活動を行っておりますが、これらの研究の結果、「河川の逆流が終わるタイミングで清掃活動を行うと、効率よく清掃ができる」という提案をいただきました。
 この提案を清掃活動に反映し、より効率的に河川浮遊ごみを回収することで、自然豊かで美しい景色を守れるよう、継続的に取組みを進めてまいります。

大阪産業大学生による報告の様子
大阪産業大学生による報告の様子

 

ごみの発生源の調査結果 ラベルが貼られた粗大ごみ
ごみの発生源の調査結果

​ラベルが貼られた粗大ごみ

 
GPS発信機を用いたごみの移動経路の調査結果 調査に用いたGPS発信機
GPS発信機を用いたごみの移動経路の調査結果 調査に用いたGPS発信機
 
調査研究のまとめ 本市への提案事項
調査研究のまとめ 本市への提案事項