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医療費について考えよう
みんなで考えよう!医療費のこと
国民医療費は30年間で2倍以上になっています
19.7兆円(平成元年)→44.3兆円(令和元年)
※国民医療費…国内の医療機関などで保険診療の対象となる傷病の治療にかかった費用の推計
息子「医療費が増加すると何か問題があるの?」
母「このまま医療費が増え続けると、保険料が上がったり、今の制度を維持するのが難しくなったり、困ることになるの。」
母「あなたは今、健康だから興味ないかもしれないけど、医療費のこと一緒に考えてみようよ!」
医療費増加の背景は?
高齢化や医療の進歩だけでなく、医療機関のかかり方や生活習慣病患者の増加も関係しています。
日本の医療保険制度って?
日本では、全国民が医療保険に加入する「国民皆保険制度」が昭和36年に導入されました。それまで、国民の3分の1はどの医療保険にも加入できない無保険の状態で、必要な医療が受けられずに亡くなる人が大勢いました。
制度開始から60 年以上が経過し、保険証を提示すれば医療費の一部を支払うだけで希望する医療機関を受診できることが当たり前になっています。改めて、日本の医療保険制度について見ていきましょう。
世界に誇る 日本の医療保険制度
国民全員を保障する公的医療保険
息子「僕は病気しないし、保険料を払うのがもったいないから無保険でいいや。」
母「それは違うわ。医療保険は自分の意志で加入する・加入しないを決めるものではないの。医療保険制度はみんなで支えあう制度なのよ。あなたは今、保険料を納めるだけの支える立場かもしれないけど、病気やケガをして支えられる立場になる可能性だってあるのよ。」
少ない自己負担で高度な医療
対象 |
自己負担 | 保険者給付 |
---|---|---|
就学前 | 2割負担 | 8割給付 |
小学生~69歳 | 3割負担 | 7割給付 |
70歳~74歳 |
2割負担 (現役並み所得のある世帯は3割) |
8割給付 |
75歳以上 |
1割負担 (現役並み所得のある世帯は2割もしくは3割) |
9割給付 |
その他の給付など
入院・手術などで、自己負担が高額になる場合は、家計の負担とならないように、世帯の収入・所得に応じた限度額まで減額される高額療養費という制度があります。また、出産育児一時金や葬祭費、人工透析費用の給付など、さまざまな給付制度が用意されていたり、自治体も各種検診(健診)や保健指導を推進したり、多方面から皆さんの医療をサポートします。
息子「僕は3割負担か~。病院で3千円払ったとすると、医療保険が7千円払ってくれているってことだね。」
母「おばあちゃんが人工関節の手術をしたとき医療費は、数百万円かかったけど、高額療養費制度のおかげで支払いが6万円ぐらいで済んだのは本当に助かったよ。」
医療機関を自由に選べる
日本では健康のためにかかりつけ医を持つことが推奨されていますが、基本的には医療機関を自由に選べます。
世界の医療保険制度
イギリス:医療機関や医師を自由に選べない
アメリカ:公的保険に加入できるのは高齢者や障害のある人、低所得者に限られる
日本の医療保険制度はWHO(世界保健機関)から世界1 位と評価されたことも!
医療保険制度を守るためにわたしもできる6つのこと
1.かかりつけ医、かかりつけ薬局をもちましょう
皆さんの日ごろの健康状態や生活背景を知っているかかりつけ医がいれば、体調などについて気軽に相談ができ、必要に応じて専門医を紹介してくれます。またかかりつけ薬局があれば、薬のもらいすぎなどを防ぐことができます。
2.重複受診はやめましょう
重複受診をすると、病院の数だけ初診料が重なり医療費負担が増えるだけでなく、検査や処置が増えることから体への負担も増えます。
セカンドオピニオンとの違い
病気の診断や治療方針について、主治医以外の医師からの意見を求めることをセカンドオピニオンといいます。主治医にセカンドオピニオンを受けたいと申し出て、検査データやレントゲン写真などを提供してもらい、ほかの医師に相談します。治療行為ではないので保険適用外の自費となります。
3.時間外受診は控えましょう
緊急でない時間外診療は割増料金がかかると同時に、急病患者の治療に支障をきたす場合があります。
4.整骨院・接骨院の適正受診
日常生活の疲れなどから起こる慢性的な肩こりや腰痛は健康保険の対象になりません。
詳しくは厚生労働省のホームページ<外部リンク>をご覧ください。
5.ジェネリック医薬品(後発医薬品)を活用しましょう
ジェネリック医薬品とは、厚生労働省の認可を得た新薬と同じ有効成分を含む医薬品で、新薬に比べ低価格です。まずは医師や薬剤師に相談しましょう。
ジェネリック医薬品の使用割合※は、約79%です(厚生労働省ホームページより令和3年9月診療分の全国平均)
※ジェネリック医薬品の数量÷(ジェネリック医薬品がある先発医薬品の数量+ジェネリック医薬品の数量)
6.がん検診をうけましょう 早期発見!早期治療!
下の円グラフが示すとおり、市の死因別割合の第一位は「がん」です。
しかし、がんは早期に発見できれば決して怖い病気ではありません。
令和元年度の大東市の死因別割合(総数)
がん30%
心疾患20%
肺炎11%
老衰6%
脳血管疾患6%
不慮の事故2%
がん検診は不要不急ではありません
「不要不急の外出自粛」が求められたコロナ禍の影響もあり、がん検診の受診率が低下しています。これはがんの早期発見の機会を失った人の増加を意味し、今後がんが進行した状態で発見される人が増加すると言われています。
「自覚症状がないから」「新型コロナが終息してから」と考えるのはとても危険です。がんは自覚症状が出てからでは、想像以上に進行している場合があります。がん検診を定期的に受けましょう!!
がん検診のメリット・デメリット
メリット
● 早期発見・早期治療で命を守れる
● 早期発見により、身体的経済的負担が少なくてすむ
デメリット
● がんが100%見つかるわけではない
● 結果的に不必要な検査や治療を受ける場合がある
※メリットとデメリットをよく理解して健康と安心のためにがん検診を活用しましょう
がん検診で「要精密検査」となった場合は、必ず精密検査を受けましょう。
また、気になる症状がある場合はがん検診でなく、医療機関を受診しましょう。
がん検診については、地域保健課にお問合せください。
地域保健課 電話072-874-9500